Medical department

診療科目

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歯周治療

歯周病(歯周疾患)は、まれな場合を除いて複数種の歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患です。お口の中には、腸内と同様に常在菌が存在し、たくさんの種類が個人で特有なバランスで保たれ共存しています(口腔細菌叢)。歯周病原細菌はこのような常在菌に由来します(内因感染)。

 

また、炎症とは内因性または外因性の障害性刺激(炎症性刺激)に対する生体の局所の防御反応であり、発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害の5大徴候として現れます。歯周疾患は、歯根の表面を覆う組織であるセメント質、歯根を保護する靭帯のような組織である歯根膜、歯を支える歯槽骨、そしてその歯槽骨と歯の根元を保護する歯肉の4つの組織により構成される歯周組織に起こる炎症であり、歯肉にのみ炎症が及んでいるものを歯肉炎、それ以外の組織にまで炎症による組織反応(破壊)が及んでいるものを歯周炎といいます。

 

治療は必要に応じて応急処置から始まり、歯周組織検査に基づいた診断、治療計画の立案ならびに修正を行い、「歯周基本治療」、「歯周外科治療」、「口腔機能回復治療」に続いて「メインテナンス」あるいは「サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)」の順に治療が進められます。また、それぞれの治療段階の後に再評価を行い、治療計画が見直され、場合によっては前の治療段階に戻ることもあります。

 

応急処置は主に痛みを伴う腫れや出血に対する治療です。「歯周基本治療」、「歯周外科治療」については後の項目をご参照ください。「口腔機能回復治療」とは最終的な被せ物の治療や噛み合わせに関わる装置(ブリッジや義歯)の治療、インプラント、歯科矯正治療が含まれます。

 

「メインテナンス」とは治療後のリコールを示し、定期検診としての虫歯や歯周病の再発の早期発見と治療に加え、生活環境や体調の変化などを調査する定期健診としての間接的要因の把握と改善に努めます。一方で「SPT」とは、歯周治療後に病状安定にとどまった歯周組織の状態を再評価し、状況に応じた治療を踏まえて行うメインテナンスを示します。いずれにおいても治療の後には定期的なチェックとクリーニングを受けられるようお勧めいたします。

歯周基本治療

歯磨き指導、歯垢(プラーク)や歯石の除去(歯科医師または歯科衛生士によるクリーニング)、虫歯の治療、歯の神経の治療(根の治療)、歯周治療用の装置(仮の歯やブリッジ、義歯など)の作製や装着などが含まれます。

プラークとは、細菌や細菌の死骸、細菌の分解産物、剥離上皮、好中球などを含んだ塊です。歯周組織の炎症を惹起する主因子で、歯や入れ歯などの固形構造物上に付着または固着します。これは、下水管の内側に付着するネバネバと同じバイオフィルムの代表的なもので、1mm3のプラークには108個(1億個)以上の細菌が観察されます。

 

歯磨きやフロス、歯間ブラシなど自身で行うプラークコントロール(セルフケア)、または歯科医師や衛生士によるクリーニング(プロフェッショナルケア)により除去することができます。

 

歯石とは、プラークが石灰化したもので、直接的に歯周組織の炎症を惹起するものではありませんが、プラークの付着を促すなど間接的に歯周疾患の進行に関与する因子の主要素となります。プラークの石灰化は4~8時間で開始され、2日間で50%、12日間で60~90%が石灰化します。歯石はプラークとは異なり歯面に強力に付着するため、セルフケアで除去することができません。

歯周外科治療
フラップ手術

歯周基本治療後、改善しきれない部位においては歯肉を切開、剥離し、徹底したクリーニングを歯や歯根、場合によっては歯槽骨に施します。

特殊例を除いて保険適応となります。また手術といっても入院の必要はなく、外来(通院での)処置が可能な治療です。

再生療法(歯周組織再生誘導法、エナメルマトリックスタンパク質を応用した方法、骨移植術)

歯周組織再生誘導(GTR)法:一般的な歯周外科手術では、最も外界に近い歯肉の上皮が手術創に入り込み、吸収した歯槽骨の改善はほとんど認められません。そこで上皮が手術創に侵入することを妨げ、歯槽骨が再生することを誘導することを目的に特殊なシートを歯槽骨上に設置してスペースを確保する方法です。適応症が非常に限られますが、一部保険適応となります。

エナメルマトリックスタンパク質(EMD)を応用した方法:発生学の原理を応用した再生療法で、歯根表面の失われたセメント質の再生を誘導することにより、歯根を覆う歯根膜や歯槽骨の生物学的再生を促す方法です。適応症が限られ、保険適応外となります。

骨移植術:歯周病によって失われた歯槽骨を、自己の骨、人工の骨などを使用して再生を促す方法です。適応症が限られますが、一部保険適応となります。

歯周形成手術

露出した歯根面の被覆を目的とした治療や、角化した歯肉の層を厚くしたり、幅を増やしたりする治療です。歯磨き時の清掃性の向上や審美性の向上を図ることができます。様々な治療法が含まれ、それぞれ適応症が限られます。一部保険適応となります。

一般歯科

虫歯の治療、噛み合わせに関わる装置(ブリッジや義歯)の治療など歯周治療における歯周基本治療や口腔機能回復治療(インプラントや歯科矯正治療を除く)が含まれます。

 

虫歯の原因は、主に口内の細菌による酸の産生です。細菌が歯の表面に付着し、糖分を代謝する際に酸が生成され、エナメル質を脱灰させます。不適切な口腔衛生、糖分の摂取、歯磨きの不十分さなどが虫歯の原因となります。

 

当院では、経験豊富な歯科医師が虫歯治療を行っています。患者様の状態に合わせた最適な治療法を提案し、丁寧なケアと高品質な材料を使用して治療を行います。予防と早期治療の重要性を強調し、皆様の口腔健康をサポートします。

歯科口腔外科

埋伏した親知らずの抜歯や、義歯作成のための骨の整形手術、インプラントのための骨の増生手術などが含まれます。治療により保険適応外となります。

 

歯の骨増生(インプラント治療など)は、欠損した歯を置き換えるために使用される治療方法です。欠損した歯の代わりに人工の歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付けます。骨増生は、骨量不足や骨の形態的な問題がある場合に行われることがあります。骨増生手術には、自家骨移植や人工骨材の使用などがあり、個々の状況に応じて最適な方法を選択します。

インプラント(アストラテックインプラント)

当院で扱っているインプラントは、世界3大インプラントの一つとして数えられているスウェーデン製のアストラテックインプラントシステム(デンツプライ)です。インプラント周囲の骨吸収が非常に少なく、シンプルかつ適応範囲の広いインプラントシステムであることから採用しております。

 

化学的に処理されたチタン表面性状、生体力学的安定性、強固な適合性、周囲軟組織との調和といった4つの特徴を有しています。保険適応外となります。

予防歯科

虫歯や歯周病を未然に防ぎ、歯磨きの指導やクリーニングを行います。歯周治療における「メインテナンス」ならびに「SPT」の概念に基づき治療歴の有無に関わらず健康なお口を守ります。一部保険適応外となります。

 

予防歯科の目的は、口腔内の健康を維持し、将来の問題を予防することです。定期的な歯科検診とクリーニングにより、歯や歯茎の健康状態を把握し、早期に問題を発見します。また、適切な口腔ケアの指導や予防処置を行うことで、虫歯や歯周病のリスクを低減します。

審美歯科

組織学的形態を考慮し、色調の調和した詰め物や被せ物、歯肉の形態や色調を改善する治療です。一部保険適応となります。

 

被せもの(クラウンやブリッジ)は、歯の欠損や形状の問題に対処するために使用されます。クラウンは歯全体を覆う被せものであり、歯の形や機能を回復させると同時に美しい見た目を実現します。ブリッジは欠損した歯の隙間を埋めるために使用され、周囲の歯にサポートを提供します。被せものは耐久性が高く、自然な見た目を実現するため、審美歯科治療において重要な役割を果たしています。

 

当院では美しい笑顔と自信を取り戻すための審美歯科治療において、私たちはお手伝いさせていただきます。お気軽にご相談ください。

歯科ドック

一般的に行うお口全体の検査や歯周組織精密検査に加え、全額CT撮影による3次元解析、細菌検査を行い、検査結果を踏まえた現状を評価し資料提供いたします。保険適応外となります。

 

歯科ドックの目的は、早期の疾患発見と口腔健康の維持・管理です。定期的なドック受診により、虫歯や歯周病などの口腔疾患を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。また、口腔内の異常や歯の咬み合わせの問題も検査し、早期に対処することで将来の問題を予防します。

※木・日・祝日は休診となります。
※受付は診療時間の30分前までとさせていただきます。